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□□■ Note >> 背表紙に見えるもの




背表紙3冊

■数年前であれば夢のような事だった『書店委託』も、ここ半年で委託していただけるようになりまして、自分の作品が同人誌の量販店に並ぶようになりました。
 それは突然「委託できるようになった」ということではなしに 「これは委託できるんじゃないかなぁ」という機運が高まっていたのは自分でもいくばくかはわかっていて、そんな中での満を持しての委託開始でした。
 なので、昨年(08年)秋に発行しましたCappella名義の合同誌"Candy Mountain"は委託される事を前提にした製作作業でした。

■委託を前提にした製作作業、と言ってもピンと来ないかもしれませんし、実際活動されてるサークル様でも特に意識した作品製作というものがないかもしれません。
 自分のサークルの場合、書店委託するに当たって一番意識した点は『背表紙』でした。
 量販店ではスペースの都合上、ジャンル分けの棚の隅で縦置きされてしまう作品が多々あることに気づき、縦置き陳列される場合を想定し背表紙に文字(タイトル)を入れることを考えました。
 背表紙の面積はページ数と紙の厚さに比例しますから、当然ながら、その面積を広げるにはある程度のページ数が作品には求められる事になります。
 しかし、作品には内容が当然あるわけで、内容を伴ったページ数であるのが当然であり自然ですし、ページ数の増加は金銭的な負担も強いられる事になるので、闇雲に本を厚くして、背表紙を目立たせるのはあまり現実的ではありません。
 狭い幅の背表紙の部分で、自分の作品と他作品との識別をどう演出するか……その自分の答えが上記の画像の文字でした。

■背表紙は立てて置かれるので、基本的に縦書きでタイトルを書くのがセオリーです。
 実際背表紙にタイトルのある同人誌などを研究してみても、ほとんどが縦書きでの作品タイトルの挿入でした。
 確かに可読性を重視するなら縦書きの表記をするのが常識でしょう、しかし、わずか5mmほどの幅しかない背表紙の文字は、果たして量販店の棚から、ましてビニールシュリンクのかけられた状態で文字を読む事が出来るでしょうか?
 カスタマーたちは背表紙の文字を読みに来ているわけではないのです、お目にかかる欲しい本を探しに来ているのですから、細かく刻まれた背表紙のちまこい文字をいちいち読むと言う煩雑な行為を丁寧にはやらないだろう……と。
 自分はそう考えた時に「可読性を犠牲にし、文字を一つの"模様"として認識できるようにしよう」と考えました。
 ヒントにしたのは "バーコード" です。
 バーコードのタテ線をイメージしたタイトル文字を、どの作品でも同じ場所に入れることによって、文字ではなく模様として認識させ、縦に陳列された際の自分のサークルのインデックスとして機能させるというアイデアでした。

■本文や表紙のイラストとは関係のない、ホンの些細な部分での演出ではありますが、もし作品を手にしていたのなら、今一度手にとって確認してみてください。
 その文字は量販店で自分の作品を探す時、ちょっとしたインデックスになってくれるはずです。




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