■□□・・・幻想供給公社 (2002)

 オリジナルの世界観を持つ長編ライトノベル作品。
 小説書きからイラスト描きの過渡期の時期と言いますか、同人活動を始める直前あたりで制作した長編小説です(完結済)
 この年の電撃ゲーム小説大賞の規定に沿って制作し、申し込む事を目標に作られた作品で、400字詰め原稿用紙300枚分のボリュームがあります。
 一時期当サイトにプロトタイプ版を掲載していましたが、さすがにWEBで読むには長すぎるボリュームなので今は掲載しておらず、今後も発表の予定はありません。
 肝心の賞応募の結果なのですが……実は送り先を間違えてしまい、加えて一次選考すら通らずの結果に終わりました。
 この作品以降はIndustlyという短編小説を制作しましたが、それを除けば小説を書くことを止めてしまい現在に至って居ます。


■イメージイラスト・グリエラ(上)とムレーナ(下)

 当時を今思えば「小説を書く」と言うことが楽しくなくなってしまっていた時期でした。 
 物語を作り出すという楽しみを忘れた……というよりも
小説・物語を作る上でのノウハウも蓄積され、加えて某作家さまの元で勉強させていただいてた時期もあり、作品を作るうえで考慮する要素が
多くなりすぎていて、物語を生み出すことが一つの精密機械を組むような作業をしている感覚に陥っていました。 
 例えばプロットを組む順序、言葉を選ぶ手順、台詞回し、ストーリーの展開構築、キャラクターのパーソナリティ……
 全ては「より面白い作品を作りたい」というよりも「プロとしてデビューしたい」という意識の方が強く、作品はあくまでも「自分が成り上がる」
ための道具の一つに過ぎない、と言う状況だったと言っても差し支えないでしょう。
 今思えば先生方に教わってきた「枠」にとらわれすぎていた時期だったと思います。
 結局そうしているうちに「何で自分は小説を書いているのか」というような根本的な疑問を抱くようになり、そうした疑問が膨らむにつれ、ライ
トノベルに対しての情熱も冷めていきました。
 しかし、ライトノベルは中学生の頃から毎日作品作りに明け暮れてやってきた道程であり、なんだかの形で一つのピリオドを打ちたい。
 せめて、ダメ元でも一つの目標であった「賞応募」をやって、結果がどうであれ「自分はやったぞ」という完結を作りたいというそんな複雑な意思
から出来上がった作品であります。

 なお、イメージイラストには当時良く喫茶店で一緒していた「いすぃ」氏に協力していただきました。