■□□・・・Orion City[Innocent Blue] (2004)

 個人サークルで制作した本の一番最初は"Catching Sun"というオフセット本になっています。
 それはReleaseの頁でのディスコグラフィーを見てもそうなってるのですが、実はそれ以前にプロモーション用として身内向けで配布した
コピー本が存在していたりします。
 それがこのOrion Cityというタイトルの本です。
 当時はトマトのお店というサークル名も存在しなくて、ラグナロクオンラインでのギルド名「きゃべつ畑」という奥付がついています
 内容は小説本で、挿絵やあとがきも一切ない、本当の意味でのプロモーション盤です。
 ページ数は表紙込み44ページのA5サイズで、かなりのボリュームです。
 コピー本ということでホッチキスで留めるのですが、さすがのこの分厚さになると業務用の大きいサイズでなければならず、雪が降る中
問屋まで買いに行った思い出があります。

 そもそもなんでこの本を発行したかとなると、やはり自分で作りたい本を作りたいという欲求と、自分ひとりでは同人を作る自信がない 
という葛藤の中で、何とかして自分に自信をつけたくて制作した作品と言えるかもしれません。
 当時自分の所属していたサークルでの自分の立場は低く、自分の意図する作品作りが出来ていたかと言えば、そうでなかったのですから。

 配布したのは04年の暮れの冬コミで、発行は10部ほど、それでもほとんど渡す人が居なくて余った思い出があります。
 在庫はそれから2年後のトマトのお店を立ち上げても残っていたくらいで、言ってしまえば過去の遺物なのですが、しかし作品自体の出来は
失敗作というにはしっかりした出来だったと思います。
 しかし小説本はイラストに較べて反応にラグがあったり、イマイチはっきりとした手ごたえがないのもあって、結局この本を制作した後
サークルをやる時はコミック&イラストでやろうと決意しました。

 個人サークルを立ち上げ、処女作を作るのはこの本から約一年後のことです。