■――そう、私はプリースト……昔の守られるばかりの自分じゃない。
私の十字架は奇跡を待つ人のためのもの。 今を打ち破る奇跡だって、私の手の中にある光で起せるはず……!
リガヤは押し戻されないように、瞳を開いた。
前をじっと見つめる。
勇気を振り絞ると言うのは、ひょっとしたらこういうことなのかもしれない……
そんな事を刹那、思いながら、リガヤは十字架を握った。
「私は、お姫様じゃない!!」
古のプリーストが一人、私の脇を掠めたような気がした。
はるか千年の時を超えて見つけた、彼女の想い……けれどもそれは、決して叶わぬ想い。
歴史は時として冷酷にも、人の心を傷つける。
「……安らぎ求めし魂、天高く深淵より深き祝福の地に、想いが運ばれんことを」
リガヤはまっすぐ正面を見据え、振り返らなかった。
■随分前から発行を予定しておきながら、先送りと延期を繰り返していた作品……ようやく出ます。
本当なら11月の万聖祭、その後12月のコミックワールドにて発行予定だったのですが……しかし本の内容としてはいままでで一番気合の入った内容になっています。
表紙の通りプリースト中心本、新作書き下ろし"GothicDream"に加え、TMS009-Holy Vergin収録分"Intro Gothic Dream" 夏コミでのペーパーのイラストもおまけとして添えて、
更にゲスト様のページと今までのしょっぱい本……よりかはボリュームを増しております。